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「アバター(AVATAR)」 ~技術と効果(満足感)の狭間で~

評点:70点 さらに一言:3Dも、ストーリーも今ひとつ

最近老眼が進み、書類を見る時には老眼鏡が不可欠だ。夜のクルマの運転も何かライトが滲んでいるように見え、安全に運転する自信が無くなってきた。そんな時、3D版の「アバター」を見たのだが、XpanD社の液晶シャッターメガネという方式は視覚の重要さを教えてくれる結果となった。

このメガネ、サングラスのようなものだから、3Dになる代わりに色が褪せて見えるのである。最初はそれほど気にならなかったのだが、非常に残念だったのは、惑星パンドラの夜のシーン。極彩色に光るディズニーランドのアトラクションのような光景が広がっていたのだろうが、メガネを付けると色的に魅力は半減。それ以来、3Dであることよりも色が違うことに気にかかり、臨場感が感じられない状態に。というか見慣れてしまうと3Dも大して効果を感じられないように思われた。やはりこれは完成された技術ではない。道半ばと言った方が良いだろう。

だからといって2D版を見ればいいのかというと・・・。この映画、NHKの「クローズアップ現代」でジェームズ・キャメロンが説明していたが、最初に3Dありきの作品なのだと思う。12年間何をやっていたかと言えば、3Dの撮影方法の開発に没頭していたというから、大きく売り込みたいところだろう。映像的に高品質であり、2Dでも見ることは十分可能なのだが、3Dを映画界に広めるための第1作として作った作品であって、「多分」魅力は半減すると思う。でも見てみたい気もするが、これはDVDで実現させようと思う。

さて3D以外の部分だが、一番の特筆すべき点はやはりCG。これによる効果は異星人のナヴィを実写との差が感じられないほどに映し出している。この辺は日本の3Dライブアニメ「ベクシル」「To」などとは差を付けている。更には「マトリックス」のような英雄像とバーチャルアクション、「MYST」やディズニーのアトラクションのような映像美、宮崎アニメのような飛翔の爽快感・・・。オリジナルの脚本であると何かのパクリではないかと勘ぐりたくなる。実際意識しているネタは数多かろう。それらのネタが高次元で絡み合えば文句はないが、12年もの間着々と準備を進めていたと言うより、少々急いで作ったと思わされる様な詰めの甘さが感じられる。

ストーリー的にも「タイタニック」には遠く及ばない。同じ恋愛ものが支柱ではあるのだが、現実に起こった、起こらないの重みの差だろうか。しかし現在のアメリカの、結局は資源の争奪戦でしかない紛争への対応を非難するかのような筋立ては、私にとっては悪くは感じられなかった。

自宅用テレビにも取り入れられようとしている3Dだが、中途半端な技術では不満の残るものしか上映できない。今回のアクティブシャッター方式に関しては「そんな海のものとも山のものともつかないものに費やす暇があったら、それ以外の作品の質を高める努力をした方が良い」と言う気がする・・・。他の方式では「円偏光方式(Real D)」「分光方式(Dolby 3D)」があるそうで、評判の良いIMAX 3Dは円偏光方式らしい。分光方式も画質に優れるとあるが、この2つは映写機その他に設備投資が必要。北海道の地方都市では費用のかかる方式の導入は、まだまだ先のようである。

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